木との話 花粉のこと


今年も花粉の時期がやってまいりました。

私の住む家は、杉の木が防風林になっています。
どんなことかといいますと、家の回りにめぐらされた垣根が「杉の木」で出来ていることです。
そのうえこのあたりはスギ、ヒノキの一大産地です。

空を見上げると、花粉が降っているのが見えます。
庭には舞散った花粉が沢山残っています。
花粉のシャワーを浴びながら暮らしているようなものですね。

ここに住むようになって10年以上。
今年の秋はいままでにみたことがないくらい、紅葉が美しくて色が濃かったのです。
それと比例するかのように
スギ・ヒノキの花粉の色が今まで以上に濃いのです。

自然の中に暮らしていると
変化と言うものにたいして、より敏感になりますね。

今年の花粉は昨年の何倍といわれていますが、確かに多そうです。
花粉症25年以上の私にどんな形で今年は現れてくるのかを、見ていこうとおもっています。

実は私の花粉症は25年前よりよくなっています。

昔は花粉症と言う言葉も知らないまま、症状を出しながら「なぜこうした状態になるのだろうか」と思って過ごしていました。

そして今はスギ・ヒノキのなかに暮らしながらも、なるだけ薬を使かわないようにしてきました。
もちろん、食事や生活環境も大きく変えて暮らしてきたことも症状の緩和に影響していると考えられます。

ただ、私のことだけでなくあまりにも多くの人がこの症状になり、日本の社会全体にも大きくかかわっているのを見て、
木々にたずねことがありました。
「どうして、こんなに多くの花粉を出して人間を苦しめるのですか」と。

木は答えてくれました。
「私たちもつらいよ。見てごらん。私たちの姿を。
決していい状態で大地の上に存在してはいないよ。
あなたたちが泣くことによって、私たちも泣いていることを知ってほしい。」


いわゆる人工林(人間の手で意図的に植えられた林)である、スギやヒノキたちは
本来の美しさや力が発揮できないような状態で植えられ、放置されています。
同じものがずらりと植えれれているのです。
木々の大規模な畑のようなものです。

畑の作物や庭の植物と同じように「人間の手」」を入れたものは、
その後も人間の手を必要とします。

日本庭園の木も、まるで手をかけてないように見えていれば、それはとてもうまい庭師さんの手によるものです。



人工林のスギ・ヒノキたちは今人間に話しかけているように思われます。


花粉の時期は、こうした木々たちのことを想う大切な時間であり、
木々の恩恵での生活をしている私にとって感謝の気持をよりあらわす時なのだと。
















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