生命の誕生する場所  いまこの瞬間



 花、開く


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それからだいぶたって、私たちが花と呼ぶ香り高く繊細な存在は、他の種の意識の進化に欠かすことのできない役割を担いだす。
人類はますます花にひきつけられ、魅せられる。
人類の意識のなかで、実用的な目的を持たない、つまり生存と結びつかないのに高く評価された最初の対象は花だったに違いない。

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花に美を見出すことを通じて、人類はほんのつかの間であれ、自分のもっとも内なる存在の確信にある美や本質に目覚めるのではないか。

美というものの最初の認識は、人類にとって最も重要な出来事のひとつだった。

その認識と本来的に結びついているのが喜びと愛という感情である。

それとははっきりと気づかないうちに、花々は私たちにとって、自らの最も高貴で聖らかな、究極的になりえないものを表現するようになった。

生まれ出るもとの植物よりもっとはかなくて美しく繊細な花々は別の領域から来たメッセンジャー、物理的な形のない世界をつなぐ橋のようなものだ。

花々には人々を喜ばせる繊細な良い匂いがあるだけでなく、霊性の領域の香りも運んでくる。

「悟り」という言葉をふつうに言われるよりも広い意味で使うなら、私たちは花々に植物の悟りを見ることができる。

   ニュー・アース  エックハルト・トール 吉田利子 訳  より  
  

 
わたしはこの花のような存在の作品を作り続けたい。